あの空は夏の中

雑記、ドラマ、映画、本、芸能人ブログ

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娼年

初めて買った石田衣良の小説。

 

内容や文章の書き方から、てっきり石田衣良

女流作家だと思っていたw

 

バーテンダーのバイトをしている大学生

リョウが主人公。

ひょんなことから会員制ボーイズクラブの

オーナー静香のテストに受かり娼夫になる。

 

「娼夫」って言葉で、めちゃくちゃ

エロい小説っぽく思われそうだけど

まったくエロさは感じなかった。

 

静香が、仕事には清潔感が大切だって

スーツ選びや靴選びをするシーンがあるんだけど

そこのシーンが、とても丁寧に書いてあって

特に靴選びに驚いた。

 

店内を30分くらい履いてみないと

本当に合う靴かどうかわからないとか。

私は、かなり靴に苦労してる人なので

きちんと履いて買ってるのに合わない、なんてことは

結構あるので、あー・・・と納得したり。

 

リョウが、会員である年上の女性たちと

デートをするんだけど

それぞれが、何を望んでいて会員になってるのか

そこの背景も丁寧に描いてあった。

 

同じボーイズクラブの仲間で

VIP向けのアズマとか

かなり美少年なんだろうけど

痛みでしか快感に思えない体質だとか。

静香の娘で耳が聞こえない咲良が

特に親密になっていく。

 

リョウを好きな同級生メグミが

リョウの仕事を知って

「娼夫」って仕事を批判するんだけど

リョウの昔からの同級生シンヤはホストだけど

ホストと娼夫って、どう違うのか?

どちらも、お金をもらってる仕事ではないか?

と、リョウが言うんだよね。

 

メグミは、正論だし正しいことを言ってる。

メグミってキャラは、もしかしたら

世間一般の常識をカタチにしたキャラなのかもしれない。

リョウがやってることは世間一般には常識外のこと。

 

でも、その正論が時に人を傷つけるんだってことも

描かれてるような気がした。

 

いろいろ考えさせる小説だなって思った。

 

それから、だいぶ経ってから

SNSで、「娼年」が映画化されてネットで見れると

書かれてて

どんなかな?

と、思って映画も見たんだけど・・・

 

あー・・・

映画にしちゃうと、こんな薄っぺらい話になってしまうのか・・・

 

たしかに、SNS松坂桃李のお尻が見れるって

書いてあったけどw

別に、男性のお尻なんて興味ないwww

 

小説が持つ空気感とか、やっぱ映画にするのは

難しいよな・・・

 

あとは、配役が合ってないとかあるあるw

特に、アズマってキャラは人を選ぶと思うんだよね。

 

こーいう「性」を扱ってる小説って

映画化になると、だいたい、そこしか描かれなくて

薄っぺらくなるんだよね。

 

いつも、思うんだけど別に濡れ場とか望んでないし。

 

「性」は、単なる小説の小道具のひとつだって

私は思ってるから

もっと、リョウって青年のココロの描写とか

どうして、アズマや咲良がリョウとは

絆ができたのか?とか

ちゃんと小説読んでる???と思う映画が多いから

映画化するんなら、もっと大事なところを

掘り下げなよって思う。