あの空は夏の中

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変わってほしくなかった

人は、自分の意志とはカンケーなく

変わってしまう生き物だとわかっていても

変わってほしくなかったと思う時がある。

 

私が、高校を卒業と入れ替えに

入学してきた4歳下の後輩。

 

最初は、どんな性格の子か

わからなかったが

話してみると、中学の頃から

片想い中の男子がいること。

 

恋愛観や友達観の話の中で

「人を傷つけるくらいなら

自分が傷つく方がいい」

と、彼女・枝ちゃんは言った。

 

ごくフツーの家庭で育ち

姉妹みんな仲が良く

母親のことは尊敬していて

将来の夢は

「お母さんみたいなお嫁さんになること」

だと言っていた。

 

4歳年下だったけど

同じ4歳下の子たちより

幼かったと思う。

 

でも、それが、私には眩しく

かわいかった。

 

ずっと、そのまま大人になってほしいと思った。

 

会社が休みの時は、大勢で枝ちゃんも含め

いろんなところに遊びに行ったり

楽しい時間を過ごした。

枝ちゃんちに、お泊りするくらい

仲が良かった。

 

あっという間に、時は過ぎ

枝ちゃんが高校を卒業する日が来た。

 

私は、前の日に注文した花束を持ち

母校へ向かった。

 

枝ちゃんは、とても喜んでくれた。

 

お互いが、社会人になっても

このカンケーは続くと思っていた。

 

ところが、枝ちゃんが職場で怪我をして

入院することになった。

 

退院後、彼氏ができたと枝ちゃんから言われた。

友達からの紹介だと言っていた。

 

私は、卒業生だったが

枝ちゃんを取り巻く友人関係は

ほとんど知っていたし

男の子を紹介するような友人はいないんじゃないかな?

と、疑問に思った。

 

会社関係だって、入社してすぐに怪我をしたので

仲の良い同僚も枝ちゃんにはいなかった。

 

枝ちゃんは、休日になると彼氏の部屋へ

遊びに行ってた。

小学生の妹も一緒に遊びに行くこともあったけど

ベランダに出されていた(鍵もかかっていた)と

聞いた時、この交際は何か変だと感じた。

しかも、冬の出来事だったので特に。

 

その彼氏は、本当に、まともな人なのか?

 

別に、私は、どんな友達であろうと

彼氏ができたら「おめでとう」と思うし

少し寂しくは感じるけど

違和感があった。

 

恋愛をして変わっていく女友達も

たくさん見てきた。

彼氏色に染まる女子たち。

 

自分は、絶対に相手に染まることはないけど

女子って、そーいう人が多いのは

知っていても、枝ちゃんのことは心配した。

 

枝ちゃんのお母さんから

彼氏との出会いが、入院中に

「テレクラ」を知って、そこで知り合った人だと

聞かされた。

 

中学の頃「テレクラ」が流行っていたし

内容も知っていたけど

実際に会ったりするケースは聞いたことがなかった。

ただ、なんかヤバいものって認識はあった。

 

枝ちゃんに、彼氏とテレクラで知り合ったの?

と聞くと

「電話で知らない人と巡り逢えるロマンティックなもの」

だと言っていた。

 

本気でそう思っているなら

友達から紹介なんて嘘をつかずに言えたはずだよ?と

私は反論した。

 

枝ちゃん家族は、みんな世間知らずなところがあり

テレクラも、どんなものか親でさえ知らなかった。

 

門限も19時と決まっていたし

世の中のニュースも見せない家だった。

まさに純粋培養された子が、枝ちゃんだった。

 

私のことは「魚先輩」と呼んでいたけど

枝ちゃんのお母さんに

「あの人には、どうせ、わからない」と

私を、初めて「あの人」と言っていたことに

驚いたと言っていた。

 

私は、たしかに真面目な性格で

変なつき合いなど理解してあげるほど

寛大ではなかった。

 

親も、まわりも、私以外は

誰も彼氏との交際を反対する者はいなかったのに

枝ちゃんは、突然、彼氏と駆け落ちした。

 

会社も、もちろん無断欠勤。

家族も、友達も、先生も、みんなが心配した。

警察にも、もちろん捜索願も出していた。

 

彼氏の親御さんから、これが二度目だと聞かされた。

前にもテレクラで知り合った別の女の子と駆け落ちをしたと。

駆け落ち癖でもある男性なのか???

 

どれくらい経ったのか・・・

 

地方の警察から、連絡が来て

枝ちゃんたちは帰って来た。

 

久しぶりに会った枝ちゃんは

私の顔を見なかった。

会話をかわすこともなかった。

 

地方を転々と駆け落ちしていたが

彼氏が、どの仕事も続かなかったことや

お金がなくなってしまったこと

そして、枝ちゃんが妊娠したことで

帰って来るしかなかったことを

枝ちゃん家族から聞かされた。

 

駆け落ち理由は

毎日24時間ずっと一緒にいたかったからだと

知った。

 

結婚したって、毎日24時間一緒にいられるわけないのに・・・

 

それが、枝ちゃんとの最後になった。

 

私から離れた。

もう二度と会いたくないと思った。

 

出会った頃、人を傷つけるくらいなら

自分が傷ついた方がいいと言っていた

枝ちゃんは

いろんな人を傷つけ

それに対して誰にも謝罪をしなかったし

悪いことをしたとも思っていなかった。

 

「あの人には、どうせ、わからない」

 

その言葉に、ずっと

長いこと苦しんだ。

 

わかってあげるべきだったのか?

 

枝ちゃんに、彼氏ができたことがイヤだったわけじゃなかった。

ただ、微笑ましい恋愛をしてほしかった。

いつも笑顔で幸せでいてほしかった。

 

今、自分が親になって考える。

 

もしも、自分に娘がいたら・・・

 

やっぱり、反対したと思う。

もっと、きちんと話し合ったと思う。

 

息子であっても、恋人ができた時には

一時の感情で、お互いの将来をダメにする

つき合いはしちゃダメだと

何度も何度も言っていたし

 

息子的には、何度も言わなくても

わかってるよ!!

と、言われるくらいwww

 

それくらい、私は真面目で堅物だと思う。

 

「あの人には、どうせ、わからない」

 

ごめん。

やっぱり、私には、わからない。

親になっても、わからない。

 

一生、わかることはないと思う。

 

あの頃のまま、大人になってほしかったと

悲しく思うばかりだった。

話しかけたかった

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