あの空は夏の中

雑記、ドラマ、映画、本、芸能人ブログ

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居場所がなかった僕らは・・・

高校に入学した日

同じクラスに、いかにもヤンキーで

バリバリメイクしてる子がいて

(うあ・・・さすが・・・底辺高校・・・)

と、思った。

 

私に、声をかけてきた女子は

すごく、かわいい子で

そんな髪型・・・マンガやアニメ以外で見たことないって

毎日いろんな髪型にしては

それが、とても似合っていた。

 

彼女は、かわいいだけではなく

クラスで、気になった子たちに声をかけては

クラスの上位に君臨することになる。

策士だったと思う。

 

女子たちのいぢめの根本には

かわいい女子へのひがみも

もちろん、あったし

彼女は、それを痛いほどわかっていたと思う。

 

高校3年間、彼女、姫宮ちゃんが

いぢめに遭うこともなかったし

いぢめる側にも関わっていなかった。

 

私に、声をかけた日を覚えている。

 

「魚ちゃんってマンガ描くんでしょう?

恋愛マンガとか描いたりするの?」

 

ニコニコと聞かれて

まぁ、いちお・・・と答えた。

 

「えーーーー!!!!

すごーい!!じゃあ、いろんな恋愛話できるね!!

恋の相談にのってほしいのー」

 

え・・・

いや、恋愛マンガ描いてるけど

誰とも、つき合ったことないし・・・

片想いも、一度もしゃべったことないレベルの

恋愛経験レベル0ですが・・・

 

「好きな人がいるんだ。

その人ね、お姉ちゃんの彼氏なの。

妹も、その人のことが好きでね?

どーすればいいと思う?」

 

どー・・・すれば・・・

経験値0で、自分が描いてきた恋愛マンガに

まったく、かすりもしないw

なんなら、自分が描いてるマンガより

ドロドロしてる・・・

どーすればいいって

どう答えるのが正解なんですか?????

 

そんな難題を問いかけた姫宮ちゃんは

部活見学では、あの先輩かっこいいよね!!

なんて無邪気に言ってくる。

 

お姉ちゃんの彼氏が好きとは???

好きな人がいても、他の男子かっこいいとか

思うもんなんですか???

 

そんな姫宮ちゃんが、同じく声をかけてるひとりに

あのメイクバリバリのヤンキーの子もいた。

 

彼女は、ヤンキーの子を

「加須ちゃん」と呼んでて

私は「加須さん」と呼んでいた。

 

加須さんは、誰にでも

「おい!!姫宮!!」

と、名字を呼び捨てで呼んでいた。

自分のことを「俺」と言う女子だった。

 

明るい茶髪にショートヘアの

メイクなんて必要ないくらいに透けるような白い肌だった。

 

私は、長いこと白い肌に白く塗りたくる必要あったのかな?

と、加須さんがメイクする理由を忘れていた。

 

姫宮ちゃんと加須さん、他の数人で

毎日、途中下車してはマックに寄った。

 

夜7時までは、そこでダベってたけど

当時の私の月のお小遣いは3000円だったので

さすがに、毎日つき合うのはムリだった。

 

CDも買いたいし、マンガだって買いたい。

アニメイトにも行きたいし

マンガの材料も買いたいし

とにかく物欲の嵐www

 

学校は、バイトOKだったけど

うちの母は、バイト禁止だったから

月3000円で、どう、やりくりするかに

頭を悩ませるJKw

 

姫宮ちゃんから一緒に帰ろう~と声をかけられても

断る日々・・・

姫宮ちゃんは、いつも笑顔で

「わかった~、またね!」

と、言って

誘わなくなった。

この見切りの速さも感服するw

切り替えの速さよw

 

園芸の授業で、菊の世話をしてる時に

のぶ代と先生から呼ばれてる女子がいて

とにかく下ネタばかり話す中身がおっさんみたいな

女子がいた。

 

かわいい女子たちに

「君、かわいいね?」と口説いては

そばに、はべらかすのが好きなのぶ代を

私は、苦手だった。

 

女子であっても、私は自分のカラダを

触られたくない。

たとえ女子しかいないクラスであっても。

 

女子が、下着姿で廊下を歩いたり

女子が、女子を触ったりするのが

多分、フツーだった。

 

私は、のぶ代から触られそうになった瞬間

拒否った。

それをノリが悪いと言われてから

なんだか居心地の悪い空気が流れていた。

 

のぶ代は、マンガに出てくるような

女子が憧れる背の高いかっこいい女子ではなく

ただのおっさんに私には映ってた。

いや、性格の悪い私は「サル」って思ってたw

 

そんな、外の授業でも、のぶ代は

いつもの下ネタを話しては下品に笑ってる。

ほんとに・・・この場から離れたい・・・

 

すると、そのグループのひとりが

「加須って、この手の話になると

決まっていなくなるよね?」

と言ってて

私は、ハッとした。

あ、たしかに・・・

のぶ代は

「加須は、こーいう話嫌いだからな」

と、話を続けていた。

 

グループにいるけど、加須さんは

一匹狼みたいな雰囲気・・・

あれは、なんだったんだろう。

 

いつだったか、朝、教室に入った

加須さんがほっぺに包帯?をしていて

「親父に殴られた」

と、言っていた。

 

そう・・・

加須さんは、父親を親父と呼んでいて

その親父との関係が、あまり良くなかった。

 

毎日、途中下車してマックにいたのも

加須さんが、家に帰りたくないって理由だった。

 

夏休み、部活のために学校に行くと

ヤンキー数人の同級生がいて

なぜか、一緒にレンタルビデオ店に行って

ホラー映画数本を見ながら、お菓子を食べたのを

覚えてる。

 

3人の女子は、洋楽が好きで

洋楽の雑誌を読んでた。

でも、その3人って誰だったんだろう?

 

うろ覚えだけど、そのうちの2人は

クラスが違う女子だったような・・・

共通点って、なんだったんだろう・・・

 

どんどん忘れていく過去の記憶の中

 

もしかして・・・

あのヤンキーの中に、加須さんがいたんじゃないか?

加須さんも洋楽が好きだった。

だとしたら

「青井は、洋楽聴かないの?」と聞かれて

あんまり聴かないと答えたことに

少し寂しいキモチになったのも納得できる。

 

だって・・・

 

私は、ほんとは加須さんと友達になりたかった。

 

趣味も好みも違うけど

家庭環境や、いろんなこと

ほんとは話せた気がした。

 

親父ムカつくって加須さんに対して

私も、父親ムカつくって話したかった。

 

あまりにも、自分のことばかり

いっぱい、いっぱいで日々が忙しくて

なんとなく感じていたことに鈍感にならないと

自分が傷つくから

 

見ないようにしてたけど

 

ほんとは、私は加須さんと友達になりたかった。

 

姫宮ちゃんに憧れた。

私も、姫宮ちゃんみたいに

「加須ちゃん」と呼びたかった。

 

でも、そんなこと・・・

見ないようにして

たくさんのグループに所属していたから

趣味や好みの合う友達がいるしと

自分のキモチも見ないようにしてたんじゃないのかな・・・

 

だから

大人になっても、こんなに胸が苦しいんだ・・・

 

もうすぐ、卒業って時期に

加須さんは、高校を辞めた。

 

2年から、進路別のクラスになるから

姫宮ちゃんや加須さんとは一度も同じクラスには

ならなかった。

それでも、別のクラスでも

加須さんが学校を辞めるって話は広まった。

 

あの時も、ココロが動揺したのに

やっぱり、見ないフリしたんだ・・・

 

今さら・・・

 

なんて、思ってしまったんだ。

 

今さらじゃないよねw

たった、2年の空白じゃんか。

 

学校辞めるって聞いたけど

すごい今さらなんだけど、友達になりたいって

思ってた!!

 

と、言えたら

どんなに、よかっただろうと思う。

 

そこで断られても、自分のキモチを言えたら

よかったんだよ。

 

加須さんが、学校を辞めて

どんな進路に行ったのか知らない。

親父との関係も、どうなったのか知らない。

 

加須さんが、メイクをする理由

赤面症だから恥ずかしいって

すごく、かわいい理由だったって

やっと、思い出したよ。

Before I Rise

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