あの空は夏の中

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手に入らないからこそ美しい

私が、片想いの恋をしていた時
大学を出てから専門学校に通っている同い年の男友達も
片想いの恋をしていた。

 

私たちは、よく電話で、お互いの片想いのつらさを
話した同志だった。

 

友達が、好きになった人はバイト先の先輩だった。
結婚を前提につき合ってる彼氏がいる人だと聞いた。

 

それは、きっと叶わない恋だったんだろう・・・

 

それでも、友達は、好きな人に告白をした。
告白をしてからも、ずっと好きでいた。
相手の女性は、友達のことは弟みたいに思ってると
言ってたらしい・・・

 

ちょっと、考える時間がほしいと言って
長いこと、友達は希望をもちながら待ってた。

 

私も、影ながら応援した。

 

相手の女性が、バイト先を辞めることを知って
友達は、このまま会えなくなったらと落ち込んでいた・・・
辞める日も、友達に会わないで去ろうとした彼女を
友達が追いかけて、また告白をしたらしい。

 

彼女の答えは
やっぱり、彼氏を裏切れない。
友達とつき合っても結婚が見えないという理由だった。
友達は、まだ学生だったから。
このまま、彼氏と結婚すると言われたらしい。

 

友達は、自分が学生なのを前々から悩んでいた。
大学を出ても専門的な勉強がしたくて専門学校に行ったけど
まわりの同級生は、働いている。

 

ゲーセンの仲間たちも、年下の子たちさえ働いている。
専門学校でも、自分だけ年上で仲間に入れない。
壁を感じていた。

 

好きな人に、学生で結婚が見えないって言われて
失恋して・・・
友達は、すごく落ち込んでいた・・・

 

それから、どれくらい経っただろう・・・

 

久しぶりに電話をした時に
友達から、彼女ができたと言われた。

 

え!!
よかったね!!
私は、めちゃくちゃ喜んだ。

 

でも、友達は、まったく嬉しそうじゃなかった。

 

なんでかな?
と、思って話を聞いた。

 

告白されて、つき合ったけど
前の恋ほどの感情が自分にはないと言われた。

 

私は、どんな相手でも、情熱的な恋をする人だと思ったし
相手を、とても大切にする人だと思ってた。

 

そっか・・・

 

手に入らない人だったから、あんなに必死になったのかもね。
簡単に手に入ってしまった恋だと情熱的にはなれないのかもね。

 

なんだか、ちょっぴり悲しいキモチになった。