あの空は夏の中

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もらってばかりいる僕を

「行ってらっしゃい。気をつけてね」

 

そんな、いつものように見送ってしまった。

 

まさか、今日から、引越し先に住み始めるなんて

思ってもなかったから。

 

一人暮らしを始めることは、前々から言っていたけど

本格的に動き出してから

トントン拍子に、引越し先も決まった。

 

朝、誰もいなくなったリビングで

私は、はるか昔を思い出していた。

 

新しい引越し先で、妊婦の私は

義母から、通帳を渡された。

 

義母は、夫が生まれた時からコツコツと

貯金をしていたと言っていた。

それを嫁の私に、生活の足しにしてほしいと

渡そうとしていた。

 

そんな、いつ返せるかわからないし・・・

と断ろうとする私に

返さなくていいと言った。

それでも、と、渋る私に

もしも、返す気があるのなら

自分にではなく、生まれてくる子に

返してあげてほしいと言われた。

 

1円からでもいい。少額でいいから

生まれてくる子に貯金をしてあげてほしいと。

 

本来の母親というものは、こーいうものなのだと

義母から、いろんなことを教わった。

 

実母からは、お金の苦労ばかりさせられた。

信じられないくらいの浪費家で

自分の欲望のためなら、子が稼いだお金も

自分のために使う人だった。

 

実母のようには、なりたくない。

だけど、そうなってしまうかもしれない不安も抱えていた。

 

この負の連鎖を私で終わらせるんだ。

 

これが、多分、私の人生の一番大事な大きな仕事だと思った。

 

引っ越しを決めた時に、僅かながらだけど

子に、通帳を渡した。

 

親に卒業なんてない。

一生、親でいるのはわかってる。

 

だけど、大きな仕事をやり遂げた・・・

そんなキモチになった。

 

子が、中学生の時に亡くなった義母に

 

高校生になった子を見てほしかった。

大学生になった子を見てほしかった。

社会人になった子を見てほしかった。

 

一人暮らしを始める子に、義母がいたら

きっと、少し近くなったねと喜んだと思う。

 

病気の私に代わって、子を一番

可愛がってくれた義母。

 

もらってばかりいた私は、やっぱり

何も返せなかったな・・・

 

私が、ギリ母親っぽいことができたのは

全部、義母のおかげなのに

義母に何も返せなかった・・・

生きていたら、もっと、いっぱい

親孝行をしたかった・・・

 

たくさん、返しきれないほどの感謝で

いっぱいになって泣いた・・・

 

子供みたいに、泣いて泣いて泣いた・・・

 

こんな私を見たら、義母は

「魚ちゃんは、いつまでも子供なんだから」

と、また言われちゃうんだろうな・・・

幸せ

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