あの空は夏の中

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教えてあげられなかったこと

10歳下に末弟がいる。

 

今は、実家の人間とは縁を切り

赤の他人だ。

 

私が、10歳の頃から約3年間

学校にも行かず、育てた弟。

粉ミルク、おむつ、お風呂、寝かしつけ

全部を10歳の私がひとりでしていた。

 

彼氏ができても、弟は、まだ遊びたい盛りの

小学生で、プールや花火大会デートがあると

必ず一緒に連れて行った。

 

母から、「お姉ちゃんは、もうひとりのママだから」

と、言われていたが

同時に「お前は親じゃない」

とも、言われていた。

 

そんな弟の性格は気難しく、わがまま。

そして、相手のキモチを思いやれない。

一度キライと思った相手にはココロを開かない。

なのに豆腐メンタル。

 

幼稚園の頃から、ずっと、いぢめっこで

幼なじみを骨折させたこともあったし

小学校時代は、その性格が災いして

近所の子たちが遠くから「サリンサリン」と

呼ばれていた。

 

高校に入っても、幼なじみをバカにするのを

やめなかった。

「あいつはバカだから」「デブだから」

そんなこと言うべきじゃないと私が言っても

「だって、本当のことだから」と聞かなかった。

 

2歳下の弟が家を出たのは

末弟が7歳の時。

私が、家を出たのは末弟が12歳の時だ。

 

末弟が受験生になり、勉強を教えてやってほしいと

母から頼まれ、勉強を教えに行った時

とんでもなく字が汚くて

まず、字をキレイに書くように言った。

 

私の会話に対して

「どーいう意味?」と、よく聞かれた。

「八方美人」の意味とか。

 

取っ組み合いのケンカもしたことあったけど

歳の離れた兄弟との溝のようなものを感じていたようだった。

母に「兄弟がいるけど、いないようなもの」と

言っていたみたいだし。

 

上の弟は、ほとんど末弟をパシリに使っていたし

兄として接することができてなかった。

 

それは、きっと8年間、末っ子の男子だったから

私のように物心がつく前から「お姉ちゃん」だったのとは

違うんだろう。

 

明らかに、上の弟を可愛がっていた父方の親戚は

一斉に末弟を可愛がるようになったし

最初から、眼中になかった私と違って

上の弟からしたら、おもしろくなかったと思う。

 

上の弟が、結婚した相手が16で

本当の兄弟よりも歳が近くて

義妹も、末弟には気を使わず接していたから

ふたりは、すごく仲良くなった。

 

姪っ子が生まれたのは、末弟が小学生の時で

小学生で叔父になった末弟は

姪っ子をかわいいと思えないまま

大人になった。

 

私が、息子を出産した日、花を買って

病室に来てくれた優しさはあったけど

やっぱり、息子をかわいいと思えないままだったと思う。

 

末弟が社会人になって、会社の先輩が

同期の子をいぢめていて

一緒に、いぢめるように命令されて

同期の子が辞めたあと

今度は、自分がいぢめられたことを

母から聞いた。

 

私は、心底、なんてバカなことを・・・

と思った。

 

末弟は、ストレスで体調を崩し会社を辞めた。

 

姪っ子が、社会人になって

最初の会社を辞めた原因を私は知らなかった。

 

末弟が、「いぢめが原因」だと言った。

その時、姪っ子がいぢめに遭うのはあたりまえだ。

会っても、ろくに挨拶もできねーんだから

社会をなめてるからだと言った時

私は、ココロが暗く沈んだ・・・

 

どうして・・・

どうして、いぢめられる側が悪いと言えるんだろう。

自分だって、同じように、いぢめに遭った経験があるのに。

何も学ばなかったのか・・・

 

末弟は、姪っ子たちの陰口は叩くが

本人たちに直接、言うことはなかった。

その代わり、息子には厳しかった。

それは、親の私が止めるほどだった。

 

末弟に怒ると、母は、いつも

「まだ、子供がいないから、しょうがない。

いつか、自分に子供ができたらわかる」

と、言って私を止めた。

 

末弟に甘すぎるよ!!

と、思った。

 

姪っ子たちに、どうして直接言わないのか?

理由を聞いた時に、上の弟がコワイからだと答えた。

 

それは、辞めた会社の時と同じだね。

先輩たちがコワくて逆らえなかったから

いぢめに加担した。

 

強いものには逆らわず、弱いものをいぢめる。

最低だ。

本当に最低だ。

 

そして、思った。

 

世の中には「三つ子の魂百まで」という言葉がある。

私は、末弟の3歳までを育てた人間だ。

 

一体、どこから・・・

私の育て方が間違ったんだろうか・・・

 

末弟を怒る時、母が止めた。

「末っ子は、ただでさえ怒る人数が多いのに

お前は親じゃないだろ」

親じゃないけど、生まれてから3歳まで面倒を見たのは私だ。

幼稚園に入って手が、かからなくなってから

いきなし、自分が親なんだからお前は黙ってろって

なんなんだよ!!

 

あの時、母とケンカしてでも

自分の言い分を言うべきだったのか・・・

でも、私の言葉を聞くような人間じゃない。

 

勉強を教えてあげられても

本当に、大事なことを何一つ教えられなかったと

ずっと思っている。

 

私のような人間に、育てられたから

こんな人間になったのか・・・

と、何度も思ったが

息子は、まったく別の人間として育っている。

 

息子は、誰もやりたくないことをやるタイプで

グループのリーダーになって

旅行の計画や連絡をするタイプだ。

そういえば、部活でも副部長や部長をやっていたな。

でも、決して目立つタイプではない。

おとなしくて優しい。

友達は多くはないが、昔からの友達と長く

つき合っている。

 

末弟は、派手で目立つ性格で

仲間と、よくバーベキューとかしてた。

でも・・・

その仲間という子たちは、いつ、どこで仲良くなったのか?

学生時代に仲が良かった子とは、どうなったのか?

そして、その仲間は本当の友達なのか?

 

母の葬儀に、末弟の友達は来ていたっけ?

私には、親友が来てくれて抱きしめてくれたけど

末弟には、そんな友達はいるのか?

 

幼なじみの子を、バカだ、デブだと言っていたけど

友達とは、見た目や学歴で選ぶものではない。

 

気性の激しさ、本当に私によく似ている。

一番、私に似ていたんだよ。

でも、私はいろんな人と出会って

いろんなことに気づかされた。

変わっていった。

 

本当は、ただ、寂しかった。

それを、攻撃的に間違った方法で外へ放出していた。

 

そんな自分を変えてくれる人が

まわりにいるのか?

 

結婚して安らげる場所がほしいと言っていたけど

同時に自分も相手が安らげる場所を作っていかなきゃいけないんだよ。

それがわからないうちは、結婚なんて、まだムリ。

 

もう、これからの人生を私が知ることはないけど

今年で40になった弟。

人を思いやるキモチがないと将来、必ず、孤独になる。

父もいつかは死ぬ。

人を傷つけたぶんだけ、いつか、自分にも返ってくる。

 

もっと、人として大事なことを

きちんと教えてあげられなかったことを

今でも悔やむよ。

 

でも、もう二度と会うことはないけど

これからは、きちんと自分と他人と向き合って

自分で成長していってほしい。

 

40という年齢とは、自分で考え

成長しなきゃいけない歳でもあるんだよ。

 

それが、10年先に生まれた姉からの最後の言葉だ。

Rain

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