あの空は夏の中

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居場所をとらないで!!

ママには、昔から仲の良かった友達が

かなりいた。

 

隣市に住んでるおばさんの家には

よくバスで遊びに行ったし

おばさんと一人娘も、うちに来てたりしてた。

 

一人娘の高嶺ちゃんは私の弟より年下だった。

 

普段から「お姉ちゃんなんだから」とよく言われていた

私は、弟だけでなく高嶺ちゃんにとっても

「お姉ちゃんなんだから」とよく言われていた。

 

昔、スーパーで売っていたジュエルリングという

指輪型の飴が流行っていた。

指にはめるとキラキラと本当にキレイな飴だった。

 

今もどこかで再販されていて色の種類も増えているけど

当時は、この赤と緑だけだった。

 

弟は緑を選んで、私と高嶺ちゃんは赤を選んだ。

 

ちょうど、バス停に向かう途中で買った。

夜道だったからか、高嶺ちゃんはジュエルリングをつけながら

転んでしまった。

ジュエルリングはバラバラに割れてしまっていた・・・

 

まだ、一口もつけてない私のジュエルリングを

高嶺ちゃんにあげなさい!!とママに言われた。

お姉ちゃんなんだから!!と。

また、いつでも買ってあげるから!!と言っていたけど

いつでも買ってくれるわけないこともわかってたので

すごく「なんで?」と顔に出してしまったと思う。

まだ小学低学年だったしね・・・

そこで、ますますママは機嫌が悪くなって

「意地が悪い」と罵倒されたのを覚えている。

結局、私は自分のジュエルリングを高嶺ちゃんにあげた。

 

それでも、ママはおばさんちに遊びに行ってたし

私たちも高嶺ちゃんと一緒に遊んだりしてた。

 

ある時、ママから高嶺ちゃんには田舎がないんだよねって

言われた。

だから、夏にママの田舎に高嶺ちゃん親子を連れて行くと

言われた。

 

私は、生まれた時からパパの親戚からは嫌われていた。

パパとママの結婚に反対していたパパの母親や兄弟たちが

生まれてきた私が女の子で、しかもママ似だったので

私は、幼い頃から甘えたことはないし敬語を使うほど

気を使っていた。

嫌味もたくさん言われた。

弟は、逆でパパ似でかわいいとチヤホヤされていたし

何でもおもちゃを買ってもらっていた。

 

だから、私を無条件でかわいがってくれるママの田舎が

唯一の私の居場所だった。

 

そんな私の唯一の居場所に高嶺ちゃんが来たことで

田舎の親戚は、高嶺ちゃんをとてもかわいがったし

今、思うと、それはたまたま来たお客さんを接待してたみたいな

ものだったんだろうけど、当時の私は子供だったから

わかるわけなかった。

 

そして、私は、田舎の地理なんてまったくわからないのに

家出したw

 

夏休みだったから、ママの異父妹のまみお姉ちゃんも

田舎に遊びに来てた。

 

そのまみお姉ちゃんが家出して知らない神社にいるところを

見つけた。

 

お姉ちゃんは

「どうしたの?魚らしくないじゃん?」と

隣に座って話しかけた。

 

「みんな高嶺ちゃんがかわいいんでしょ?

魚なんかいらないんでしょ?」

と、私は思ったことをそのまま言った。

「そんなことあるわけないじゃん。みんな魚のことが

好きなんだよ?

高嶺ちゃんは、まだ小さいから

みんなよくしてるだけで、だからって魚がいらないなんて

誰も思ってないよ」

私は、その言葉を聞きながら涙が止まらなかった。

だって、田舎だけは私のいていい場所だと思ってたのに

なんか田舎さえもとられた気分になってしまったから・・・

でも、お姉ちゃんは怒らずに私のキモチをきちんと聞いてくれて

「バカだなーw

みんな魚のことがかわいくて大好きなんだよ」

と言ってくれた。

 

親戚の家に帰ると、もちろんママから怒鳴られてたんだけどw

 

あの日、お姉ちゃんが私に寄り添ってくれたおかげで

私は、まっすぐに育つことができたのかもしれない。

 

お姉ちゃんは、看護学校に行くと進路を決め

私も受験があったりで田舎に行くことも減ったし

お姉ちゃんとも、ほとんど会えなくなっていた。

 

お姉ちゃんが、看護学校に入学して寮に入った時に

手紙が来たのが最後だった。

 

それから、私も自分のことで忙しくなって

田舎にも帰らなくなった頃

まみお姉ちゃんの姉しのぶお姉ちゃんがうちに

結婚相手を紹介しに来た。

 

多分、できちゃった婚で結婚したけど

相手の男性のDVがひどいとママに何度も電話が

あったのを覚えている。

DVだけでなく働いてくれないからって

夜の仕事も始めたようなことを言ってた。

 

すると、生まれた来た赤ちゃん問題があって

まみお姉ちゃんが姪っ子の面倒を見に来るようになったと

ママから聞かされた。

 

DVで働かない男は、まみお姉ちゃんと

かけおちしたとママから聞かされた。

ママは「まみが、こんなにバカだと思わなかった」と

言っていた。

 

私は、手紙をもらった時以来、ずっと

まみお姉ちゃんとは会っていない。

ママも、田舎の親戚もまみお姉ちゃんの居場所は

知らないと言っていた。

 

あの頃、私は、まみお姉ちゃんは真面目で

看護学校に入学し看護婦になって

尊敬するお姉ちゃんだと思っていたから

なんか裏切られたキモチになった。

ちょうど、思春期だったし・・・

 

でも、本当は、私はきちんと

まみお姉ちゃんのキモチを聞くべきだったと思った。

まみお姉ちゃんがどう思ってその行動に至ったかを

私はお姉ちゃんから直接聞くべきだった。

 

まわりの雑音なんかじゃなく本人から

聞くべきだった。

 

そして、きちんと聞いた上で

自分で決めたかった。

それでも大好きなお姉ちゃんだと思ったか?

ごめん、ムリと思ったか?

 

私も、私が思ったことを自分の言葉で

まみお姉ちゃんに伝えたかったし。

 

ママの葬儀には、しのぶお姉ちゃんもまみお姉ちゃんも

来なかった。

 

隣市に住んでたおばさんは数年前に失明して

当時、高嶺ちゃんしか子供がいなかったけど

会わない間に子供が4人くらい増えていて

末っ子の子がおばさんをママの葬儀に連れて来てくれた。

 

私が、もっと精神的に大人であったなら

今度は、まみお姉ちゃんの話をきちんと聞けたのに・・・

 

私のこと大好きだよって言ってくれた

まみお姉ちゃんの言葉に嘘はなかったのに。

どうして、私は、あんなにも子供だったのか・・・

 

もう、連絡先さえもわからない。

もう、会うこともできない。

 

だったら、せめて

あの時の言葉に私は救われたんだよってことだけでも

伝えたかった・・・

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