あの空は夏の中

雑記、ドラマ、映画、本、芸能人ブログ

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バレタインの思い出

小学校3年になるまで

私のまわりでは、「バレンタイン」という

イベントは存在していなかった。

 

学校で、なにやら

「バレタイン」の話題で盛り上がっていた。

 

好きな男子に、チョコをあげるという

イベント。

 

私は、小学3年の時

好きな男子がいた。

 

その男子を、仮にフカと

呼ぼう。

 

私と違って、おとなしくて優しい男の子。

 

いつも笑顔で、その笑顔がまるで

おじいちゃんみたいだったから

男子から、たまに「おじいちゃん」と

呼ばれていた。

 

国語の音読では、いつも

緊張からか、泣きながら読むような男の子だった。

隣の席だった私は、ハラハラしたものだ。

 

その男の子には、あっちゃんという妹がいて

弟と同じクラスで

たまたま知り合った。

 

小学校は、団地内の学校だったので

みんな、団地住まい。

 

外を歩いてると、あっちゃんがひとりで

遊んでて、声をかけたら

一緒に家で遊ぼうと言われて

家に、お邪魔した。

 

私には、妹はいなかったが

団地の小さな子供たちと

よく遊んであげていたので

女の子って、かわいいなぁ~なんて

思いながら

一緒にお人形遊びとかしていた。

 

すると、フカが帰ってきて

あっちゃんが

「これから、塾だから

お兄ちゃん、お姉ちゃんと遊んでてー」

と、言われ

 

ええ!!!!!!!

小学3年の男子と、この目の前にある

おままごとセットで遊ぶのか?????

 

残された、私とフカは

どうしようか・・・

みたいな雰囲気になり

 

あっちゃん早く帰ってきてくれー!!

と思いながら

会話らしい会話もしなかったと思う。

 

小学3年といえば、私は男子から

まだ、コワイ存在で

過去の数々の問題行動は有名だったと思うので。

 

フカは、優しいゆえに

一部の男子から、からかわれてる時が多々あって

靴を隠されているところに

遭遇したことがあった。

 

教室で、フカが泣いてた。

 

ほんと、男子って!!

しょーもな!!!!と思いながら

フカの靴を探した。

 

男子が、コソコソ話してたのも

見かけたから

こっちの方かもと思って

靴を発見すると

 

男子が、こいつが隠したんだ!!

と、言い出して

 

私は、泣いてるフカのために

靴を見つけただけなのに

犯人みたいに言われて

フカの友達が、ほら、帰ろうと言って

そのまま、泣きながら帰ってしまった。

 

きっと、フカは、私が犯人だと思っただろうな・・・

 

昔の私なら、そのからかっていた男子を

ボコっていたと思うけど

もう、そんなことはしない。

 

でも、違うし!!と言っても

過去の数々の問題行動で信用はない。

 

そんなこともある中

「バレンタイン」というイベントが

やってきた。

 

なんとなく、同じ班の男子に

私からチョコをもらったら、どー思うか?

なんて質問をしたと思う。

 

同じ班には、フカもいて

それはそれは、なんて恐ろしいことを・・・

みたいな顔を男子は一斉にしたので

 

ああ・・・

そっか。

 

私からチョコをもらうってコワイのか。

それは、まるで罰ゲームのような感じか・・・

と、察した。

 

フカを、これ以上、怯えさせたくない。

可哀想だ。

 

でも、バレンタインというイベントには

参加したい!!←

 

バレンタイン当日

母は、同級生の母親の家で

お茶をしてた。

 

その同級生の母親は、スガの母親だった。

スガは、フカの親友だ。

 

私は、突然、母に

「100円ちょーだい」

と、言って

その100円を握りしめて

団地内にあるマーケットに行き

100円の板チョコを買った。

 

そして、その買ったままのチョコを

スガにあげた。

 

スガは、「え!」て反応をしてたし

母と、スガの母親は

あらあらまぁまぁみたいな雰囲気になった。

 

家に帰ると、母から

「スガくんのことが好きだったのかー」

と、言われたけど

全然、好きじゃないし!!と思った。

 

次の日、学校では

昨日のバレンタインの話題になっていた。

 

私は、フカに、チョコはスガにあげたから

私から渡されなくてよかったね!!

と、言った。

スガも同じ班だったので、それはそれは

男子から、可哀想にと慰められていた。

 

そんな苦い思い出が、初めてのバレタインだった。

 

今なら、別に、ムリに祭りに参加しなくても・・・

と、思うけど

 

当時は、ほんとに、物珍しいイベントだった。

変わらない日常に、突然、入ってきた新イベント。

 

2月と言ったら、学校で鬼役の先生に

豆をぶつける行事しかなかったのに

好きな男子にチョコをあげるなんて

なんてオシャレなイベントなの!!

と思ったに違いない。

 

それから、中学にあがるまで

私は、バレンタインとは無縁だった。

 

いや、きっと、あまり関わりたくなかったんだと

思う。

 

フカは、4年生になる前に引っ越してしまった。

クラスメート全員に、引越し先の住所の手紙を

配っていた。

 

私も、もらった。

 

何度も、手紙を書きたいと思った。

でも、書けなかった。

 

ある時、その手紙を発見し

住所を見た。

 

隣市だったんだな・・・

大人になったら、会える距離じゃんって

思うけど

 

子供にとって、隣市であっても

もう二度と会えないような距離に感じた。

実際、偶然でも再会することはなかった。

 

後悔・・・

と、言っても

本命のフカにチョコを渡さかなったことなのか?

全然、好きでもないスガにチョコを渡したことなのか?

 

今となっては、もう、わからない。

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