あの空は夏の中

雑記、ドラマ、映画、本、芸能人ブログ

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護られなかった者たちへ

阿部寛主演。

 

映画館のポスターや予告で知ってはいたけど

アマプラで見た。

内容が、東日本大震災後の話だとは知らなかった。

 

東日本大震災後、多くの人達が亡くなり

避難をし・・・

そこで、ある連続殺人事件が起こる。

 

阿部寛は、刑事役で

震災で、妻と息子を亡くしていて

妻の遺体は見つかったが息子は行方不明のままだった。

 

この映画は、日本人なら、みんな経験しているし

事件も実際に起っていても、おかしくない事件だった。

 

震災で、すべてが変わってしまった仙台。

家をなくし職もなくし・・・

生活保護問題など・・・

 

避難所で知り合う利根(佐藤健)とけい(倍賞美津子)と

カンちゃん(清原果耶)が他人同士だけど

まるで本当の家族のように交流していた。

 

佐藤健の演技が、ほんとにすごかったので

阿部寛と並んでも、ふたりとも演技が上手い俳優だと感じた。

 

市役所側の言い分や善と悪。

そして、生活保護を受けるべき人が受けられなかったり

不正受給など

震災後の大混乱の中、目を覆いたくなるほどの光景を

よく映画にしたと思った。

 

私は、関東の人間だけど

震災の時のテレビで津波のニュースは、よく覚えているし

それまでにない大きな地震には驚いたけど

津波ニュースが、ずっと消えずにいたのは

生涯で初めてだった。

昔、一度だけ行ったことがある仙台が

まるで変わってしまった現状に呆然とした・・・

ほんとに津波のコワさを知った。

 

少し後に、震災がどんな感じだったのかを

シュミレーションしていたドキュメントがやっていたけど

心臓の動悸が激しくなって見れなかった・・・

 

東北に住んでいる人は、なおさらだと思うけど

この震災は日本人が抱える傷となって消えることはないと思う。

 

見ていて何度も涙が流れた・・・

 

震災は誰を憎めばいいかわからないけど

福祉が機能してないせいで大切な人が餓死したのは人間のせいだから

関わった人間を憎むっていうのは人間なら

あたりまえの感情だと思う。

 

人を救いたいと思うキモチを持ちながら

復讐もしたいというキモチを両方持つ犯人を

悪としては見れなかった・・・

 

「声をあげてほしい」は、何度となく

この作品では言っていて

最後に、震災で海に流される少年を助けられなかった告白を聞いて

息子が行方不明の刑事は、それ多分、息子だ・・・

と思ったろうな、どうするのかな・・・

すべての告白の後に、刑事が発したセリフで

救われたようなキモチになった。

 

きっと、助けられなかった人たちも

いっぱいいたと思う。

 

すぐにはムリだったと思うけど

ようやく映画としてでも見れるようになって

いろんな問題が残ってるよねって思った。

 

復興だって進んでないところも

いっぱいある。

 

主題歌を桑田佳祐が歌ってるのも感慨深かった。

桑田佳祐の「TSUNAMI」が長い間、封印されていたから。

ラストレター

岩井俊二作品映画。

 

絶対、観に行きたいと思いながら

気がついたら知らないうちに終わってた・・・

アマプラに来るまで待った作品。

 

「Love Letter」を映画館で観た身としては

今作への期待は大きかった。

 

松たか子広瀬すず神木隆之介主演。

 

高校時代、姉・未咲(広瀬すず)宛のラブレターを妹・裕理(森七菜)が

憧れの乙坂先輩(神木隆之介)から渡され、姉のフリをして

こっそりと手紙を書いていた。

 

大人になった裕理(松たか子)が子供たちを連れ

未咲の葬儀に出席するところから、この物語は始まる。

未咲の娘・鮎美(広瀬すず)から母宛に高校の同窓会の知らせを預かり

姉が亡くなったことを知らせに同窓会に参加するが

姉と間違われ言えないまま、乙坂(福山雅治)と再会する。

 

スマホから手紙へと変わり

裕理が乙坂に姉のフリをして手紙を書いて送り

鮎美と一緒に実家に残った裕理の娘・楓香(森七菜)も

鮎美と共に未咲のフリをして乙坂に手紙を書くという

複雑な文通が始まった。

 

私が、想像していたのはメインは

高校時代で、憧れの先輩から姉宛のラブレターを

妹が姉のフリをして書くところだと思ってた。

大人編は後日談的なものかな?と。

 

淡い少女の恋を全面に出すと思ってた。

 

でも、実際は、大人になった裕理が

結婚しても子供がいても

憧れの先輩を、ずっと憧れのままで

高校時代の時のように姉のフリをするっていう・・・

 

大人になった未咲が、どんな外見になったのかは

わからないけど広瀬すず松たか子みたいになるわけないのでw

同窓会で姉に間違われるのは、かなりムリがあったw

未咲と裕理は外見も性格も似てない姉妹だったし。

 

裕理は、別の男性と結婚して

未咲も、別の男性と結婚して

乙坂は独身のままだった。

 

未咲は自殺で亡くなっているし

夫(豊川悦司)から、ひどい暴力を受けていて

娘の鮎美から見ても幸せな暮らしではなかった。

 

裕理は、憧れと懺悔のキモチで手紙を書いていたのが

わかる。

もし、きちんと姉に乙坂のラブレターを渡していたら

幸せになっていたかもしれないという後悔・・・

 

その懺悔のキモチを話した時

乙坂は裕理が未咲じゃないことを最初からわかってたこと。

そして、裕理は知らなかったけど

大学時代、未咲とつき合ったことを話す。

阿藤(豊川悦司)が未咲を連れ去ってしまったことも。

 

乙坂は、小説家になって未咲をモデルにした小説を書いたが

それ以後は売れない小説家だった。

 

その小説を覚えるほど読んだという鮎美は

「早く、この人が母を助けに来てくれないかと待ってた」

と言うセリフがあるんだけど

 

私は、すごく共感できた。

 

私も、父が母に暴力を振るうので

なんで、こんな人と結婚したんだろう?と思ったし

母が昔つき合っていた男性の話を聞かされた時

どうして、その人と結婚しなかったの?

そしたら、こんな暴力受けなくてすんだのに・・・

母が幸せなら、私は生まれてこなくてもよかったと思ったから

鮎美のキモチは痛いほどわかった。

 

鮎美がいるのに、未咲が自殺を選ぶなんてと思う人もいると思うけど

私の母も自殺しようとした時あったし・・・

それを私たちがいるのに?なんてキモチはなかった。

 

子供は、特に娘は、母の幸せを願う生き物だと思う。

 

なぜ、乙坂ではなく阿藤と結婚したのか?

それも、きっと、うちの母と同じ理由なんだろうなって

思った。

 

豊川悦司は好きだけど、この作品では

ほんとにクズな役を演じた。

再会した乙坂を罵倒しまくる。

罵倒されるべきは阿藤の方なのに。

 

阿藤の今の彼女として妊婦姿の中山美穂が出てくるけど

正直、これ必要だった?w

ほぼ、ストーリーにカンケーなかったしw

 

未咲が亡くなったことと、阿藤から罵倒されたことで

廃校になった母校へ行くと

昔の未咲と裕理に似た少女たちを見つける。

 

これは、「救い」の物語だったのかも。

 

乙坂が、少女たちと出会って救われ

前へ進む物語だったのかも。

 

自分が、未咲に何一つ残してないと阿藤から罵倒されたけど

未咲が、自分の小説を持っていたこと。

そして、その小説を未咲の娘も大切に思っていたこと。

 

広瀬すずと森七菜が、未咲と裕理の子として

少女時代をピュアに映し出されていた。

 

個人的には、未咲と裕理の高校時代を

メインに長くやってほしかったけど

この映画自体、観る側が若者ではないと思ってなのか?

神木隆之介視点より福山雅治視点なのは

長年、岩井俊二のファンを意識してなのかな?

 

福山雅治視点の大人の、もう二度と自分は戻れない

少女たちの美しいまでのピュアさを

恋の対象ではなく、愛でる対象であり

救いの対象にしたのかな?

 

もう、高校時代の未咲や裕理と恋を展開する

神木隆之介には誰もなれないと思って作った?w

 

だとしたら

大人になってしまったファンたちに

そんな淡い恋を美しいまでに作ってほしかったけどねw

 

ああ、懐かしいな、こんな恋してたなとか

こんな恋がしてみたかったとか

大人になってもピュアさで、これぞ岩井俊二作品!!

と言わしめてほしかったかなーw

 

キライな作品ではないし、ストーリーも

ああ、なるほど!と思わせるところも多かったけど

やっぱり、かなり、もったいなかったなと思う。

 

他のドラマで森七菜を、まったく可愛くないって思ったので

岩井俊二マジックで、森七菜を可愛く映してるんだから

ほんと、もったいないよね。

高校時代の裕理の片想いを演じる森七菜の演技を

もう少し見たかったよ。

 

ストーリーも、もっとシンプルでよかったと思う。

ラストレター

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カエルノウタ

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  • 森七菜
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

silent

朝の番組で、キャスターが毎回泣いてると言っていたし

いいドラマなんだろうなってことはわかっていたし

主題歌が、ヒゲダンだから見たいとは思っていたけど

なかなか見ることに積極的になれなかった。

 

高校時代に、主人公・紬(川口春奈)と想(目黒蓮)は

つき合っていたが大学進学後

想からLINEで別れを告げられ、そのまま社会人になった紬は

想の親友・湊斗とつき合っていた。

 

酷評だった朝ドラ出演から人気大丈夫かな?と

思っていた川口春奈は好演だったし

ジャニーズの目黒蓮も演技良かった。

 

紬は、想と、偶然、再会したら

想は耳が聞こえない状態になっていた・・・

という事実から物語が始まる。

 

聴力が徐々に失われる本人のつらさや

家族のつらさは・・・

私には、痛いほどわかりすぎるので

かなりの勇気が必要だった。

 

昔、「愛していると言ってくれ」を

フツーのラブ・ストーリーとして

トヨエツかっこいいと思いながら見てたのは

私には無縁の物語だったからだ。

 

今、現在。

無縁じゃない内容のこのドラマを私は、どう捉えることができるんだろうか?

 

想の母が、泣き崩れる姿も痛いほどわかる・・・

そして、その母の姿を見たくないって想のキモチも・・・

 

想の「若年発症型両側性感音難聴」の原因に遺伝がカンケーとわかり

想の姉が妊娠中で、もしも自分の子供も遺伝で耳が聞こえなかったらって

心配を母にぶつけると

母は「なんで、自分のことばっかりなの!!」と怒ると

姉は「自分のことじゃないよ。私にとってはお腹の子が我が子なんだよ」

というやり取りも痛いくらいわかる・・・

想の姉も妹も、いつか母になるんだよと言葉の重み・・・

 

とてもじゃないけど

目黒蓮くんかっこいいよね!!とか

ふたりの恋はどーなるの?と言える心境にはなれないなって・・・

 

私が、一番大切に思っている人が「片耳難聴」で

生まれつきで原因はわからないままだった。

原因がわかりたくて数年、大きな病院に通っては

いろんな検査をした。

原因がわかれば治ると思っていたから。

 

補聴器をつけるほどではないと言われ

長年、そのことを忘れるほどフツーに暮らしていた。

たまに聞こえない方に話しかけると

そっちは聞こえないからって言われて

ハッとしたり。

やっぱり、想と同じで音楽が大好きで

一緒にカラオケ行くと私よりうまいし。

 

でも、社会的に叩きのめされることは

本人も私もあって・・・

そのたびに私は涙が止まらなかった・・・

自分のことより、つらいやって・・・

自分の人生のつらさなんか全然軽く思えるくらい

変われるなら変わってあげたいことは

いっぱいあった・・・

 

ドラマでは、想は徐々に聴力を失った側だけど

生まれつき聞こえない側の奈々が登場している。

 

奈々は、最初、性格の悪い子に私は映った。

高いイヤホンを金持ちだから、また買うよって言ったり

いやいや、貯金して買ったかもじゃん?

想に想いを寄せているけど

想が、紬と会ってると知ると

「高校時代まで耳が聞こえてて、大学生くらいから聴力を

失った女の子を探してつき合った方がいいよ。

そしたら、あの時、どんな音楽を聴いてた?

徐々に聴力を失っていくのコワかったよねとか

話が合うと思うよ」

と、聴者とろう者はわかり合えないことを言うんだよね。

 

奈々と話したいから手話をガンバって覚えたって想が

言うんだけど、それは女の子なら勘違いしちゃうよ・・・

好きになっちゃうよ・・・

だから、奈々が、紬が手話をするようになって

自分があげたプレゼントを、そのまま他人に

渡された気分!!と怒るのわかる。

 

あと、奈々の設定が、ちょっと性格悪くしてるのは

障がい者は「天使」や「無垢」のイメージがあるから

そうじゃない。

てことを、きちんとわかりやすく伝えてると思った。

みんな同じだよ。

グチだって言うし悪態だってつくよ。

 

奈々も奈々とほんとは両想いだった

聴者の春尾と大学時代にすれ違ったままだったんだよね。

春尾も、そのことがずっと胸の中にあって

手話教室の講師になっても一線引いた人付き合いしかしてなかった。

 

湊斗が、ずっと優しくていい人だったから

想は、湊斗にだけは「声」を出せたのかも。

最初に「声」を出して名前を呼ぶのも湊斗だったしね。

 

脚本家が、20代の女性だと知って

日本語でしか伝わらない言葉ってあるから

海外で翻訳されたら、もうニュアンスが変わるから

だから、自分は日本のドラマで脚本を書きたいと言ってて

若い人が、日本語でしか伝わらない日本語の

ニュアンスを大事にしてるの意外だった。

 

最終回まで見て

奈々が、春尾と再会して

お互いに、うまくいかなかったのは聴者とろう者だったからではないって

気づいて話すシーンで

救われた気がした。

 

結局は、人と人の繋がりやすれ違いなんだって。

 

それでも、社会で不当な目に遭うことも

ドラマでは描いていたから綺麗事ばかりじゃない

ドラマだった。

警察官が、補聴器をイヤホンと間違えて怒ったりね。

 

自分とは無縁の時は娯楽ドラマとして楽しんでいたけど

そうじゃないドラマに初めて直面して

わかりすぎてつらくて泣いた時もあったけど

伝えたいことは、きちんと伝わったし

いいドラマだったと言えるドラマだった。

 

そして、このドラマの主題歌は

やはりヒゲダンしかないと思わせるほど

内容にリンクしている素敵な歌詞と曲だった。

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