やがて今も忘れ去られる

徒然なるままに雑記ブログ

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団地の子

男子が、学校帰り、つつじの前に

たむろってる。

 

つつじの蜜吸ってるんだよ。

 

へぇ・・・

と、思いながら私も、つつじの蜜を

吸いながら家に帰った。

 

イチョウの木から、男子が傘を広げて

飛び降りていた。

飛べるかもしれないって言ってた。

私も、一緒になって傘を広げて飛び降りたけど

飛べなかった。

きっと、高さが足りないんだと思った。

 

よく、階段にコウモリがいた。

そのたび、家に連れて帰ったけど

毎回、エサがわからず外に返した。

 

立入禁止の芝生で、みんなで遊ぶことが多かった。

芝生を掘っているとモグラが出てきて

多分、最初から死んでたと思うけど

私は、光で瞬殺したんだ!!と思った。

 

団地内にある公園の砂場には

よくカブトムシの幼虫に似た小さな幼虫が

ゴロゴロ出てきた。

蛾の幼虫かもしれないって言ってる子もいたけど

一体、何の幼虫だったんだろう?

 

カンペンに、紫陽花の葉を敷き詰めて

水でひたして、カタツムリを飼ったりしてた。

 

女子が、学校の裏庭で

ひまわりの種って食べれるんだよって

食べてたので、私も食べると

うわ・・・まず・・・と思った。

 

どんぐりって食べれるんだよって

女子が言ってて

どうやって?と聞くと

煮たりするみたいって言ってて

あまり、うまそうに感じないなって思った。

 

男子は、どんぐりに色を塗って

コマにして遊んでいた。

空き瓶を拾ってストアに渡して

小銭をもらったりしてたので

 

女子より男子の方が、生き残れるだろうと

思ったし、一緒にいて楽しいのも男子だった。

 

週1回、ハイジの曲を流しながら

「牛乳屋さん」と呼ばれるトラックが来ていた。

トラックには、牛乳パック以外にパンや他の物も

売っていた。

 

夕方になると、豆腐屋さんが来ていた。

馴染みの曲を吹きながら。

 

寒くなると、石焼き芋

やっぱり馴染みの歌で来ていた。

 

牛乳屋も、豆腐屋も来なくなって

随分経ってから

アイス屋さんが、メロディを流しながら

来るようになった。

ひとつ200円の高めのアイスだったけど

おいしかった。

 

学校の横に、ひよこ売りが来てたり

聖書配りおぢさんがいたり

自作か何かの紙製のおもちゃでショウを見せて

売ってるおぢさんがいた。

 

だいたい、男子が親に頼んでは

ダメって言われてた。

 

団地の中で、いろんな発見や体験をして

大きくなった。

 

ほとんどの子が、団地から巣立っていった。

離婚して子供を連れて団地に戻って来た子もいたけど

もう、あの頃のような活気はない。

 

団地の中を、駆け巡って冒険をしてケンカをして

それが、何の役にも立たなくても

一番、子供らしい時期だったと思う。

 

もっと、数え切れないほどの遊びをした。

 

大きい子が、小さな子に、遊びを教え

それが代々繋がっていった。

 

団地という狭い世界でも

とても、広かったんだ。

少年時代

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