あの空は夏の中

雑記、ドラマ、映画、本、芸能人ブログ

「※このブログはアフィリエイト広告を使用しています」

※コメントはコメント欄にお願いします。
 ブクマでは全部に返信ができないため。

世紀末の詩

野島伸司作品。

 

かなり好きなドラマ。

今までの野島伸司全作品の「愛」のテーマを

ぎゅっと詰め込んだ作品に感じた。

 

「愛とは何か?」を

竹野内豊山崎努が問うドラマ。

 

多分、このドラマをきちんと見たのは

2話からだと思う。

 

盲目の美しい女性が、貧乏でイケメンとは言えないが

優しく深く愛してくれる彼氏を

とても愛してるところから始まる。

 

野亜(竹野内豊)は、ふたりの「愛」は

理想的だと言う。

その一方で、百瀬(山崎努)は

 

「鏡が見たいって言ってたよ。

目が見えたら最初に彼氏じゃなくて

自分の顔が見たいってな」

 

フツー彼氏の顔を一番に見たいと思うのに

自分の顔が一番見たいと思ってる彼女のココロに

翳りを感じた。

 

彼女は、目の手術を受けさせてもらって

初めていろんなものが見えるようになる。

自分の顔を見てホッとして

愛してる彼氏と一緒に住んでたアパートに着くと

驚くほど汚い部屋で、そこに彼女をずっと探していた

彼氏が帰ってきて

彼女は、彼氏の容姿に怯えて逃げ出し

お金持ちのイケメン男性のところに行ってしまう・・・

 

百瀬は、多分、こーなることをわかってたんだな・・・

すごく切ない2話だった。

 

人は見えるものに惑わされるし、見えるものに欲をもつ

だから、見えなかった頃の彼女は余計なものが

見えなかったから純粋でいられた。

 

野島伸司作品には、たびたび、盲目のキャラが描かれる。

 

「この世の果て」の盲目の妹は、目が見えるようになって

醜い容姿を気にする彼氏に、今でも私には見えないって言う。

薔薇のない花屋」では、盲目のフリをして

主人公に近づくヒロインが描かれたり。

 

1話完結のこのドラマは

野亜と百瀬が、いろんな愛のカタチを見ては

「愛とは」と考える。

とても、シンプルな作り。

 

多分、私が、野島伸司全盛期と言われる

「高校教師」あたりの頃

過激なストーリーで、いつも話題になってたけど

過激なドラマが好きだったわけでもなかったし

野島伸司作品に興味もなかった。

 

振り返ると、過去に見てきたドラマの数々が

野島伸司だったのか!!

という驚きはあったけど

野島伸司作品を好きになった理由が

過激さや流行ではなかったから

そこに見え隠れしてる本当に描きたいことが

私を惹きつけたんだと思う。

 

だから、このもっとも

野島伸司が一番伝えたかったことだけを

濃縮した、このドラマは集大成って言えるくらい

野島伸司らしい作品だと思う。

 

竹野内豊も特に好きな役者ではなかったけど

この役は、とても良かったと思った。

 

「愛とは何か?」

若者目線からの野亜と

初老目線からの百瀬のやりとりが良かったと思う。

 

当時は、野亜に共感した人たちも

いつか、百瀬の言ってたことを理解する時が来るだろう。

実は、長く思い出される作品だったんじゃないかと思う。

Love

Love

  • provided courtesy of iTunes